オーラ
刑事は男にとっての天職だった。
彼には人殺しの素質がある人間を見抜く能力があり、さらに悪を許さぬ正義の心があった。
男は自分の仕事と力に誇りを持ち、殺人犯を次々に牢獄へ連行していった。
時が経ち、老いて刑事を辞めた男は町長から不思議な仕事を頼まれた。
街に産まれてくる赤ん坊を人殺しの素質があるものとそうでないものに仕分けて欲しい、と。
町長は危険な赤ん坊を隔離して善良な市民だけの街を作ろうとしていた。
そして、彼等の計画は成功した。 街は今よりさらに平和になり、善良な人々はより健やかに過ごした。
危険人物たちは牢獄に隔離され日の光を浴びることなく自分自身を絞殺した。